【訴えられる可能性も?!】派遣の仕事をバックレたらこうなった

人材派遣コラム

派遣のお仕事を何となく行くのが面倒臭くなって
当日無断でバックレたいと思ってませんか。

その気持ちはよく分かりますが、社会人としてその行動は論外の行為ですので
気晴らしにこの記事でも読んで冷静になってください。

仕事をバックレると最悪相手から訴えられるケースもあるのです。
そんな事にならないように具体的な事例もご紹介しながら
仕事をバックレる危険性をご紹介します。

実はけっこう多い派遣のバックレ問題

現代の働き方として正社員やバイトと並んで多いのが「派遣」という勤務形態です。
しかし正社員やバイトだとその会社やお店と直接雇用契約を結んで、
働く形態なので雇われる側も「雇用されている」という意識があります。

ですが派遣契約は下の図のように中間に「派遣会社」という存在が入るためか、
あまり派遣先の会社やお店に雇用されている意識を持ちにくい働き方なのが実情です。
さらに派遣会社によっては「登録」という表現を使っているため、
より一層自分が派遣会社と「雇用契約」を結んでいるという意識を薄めさせています。

 

 

つまり派遣という働き方を簡単にまとめると
「派遣会社に雇用されて『この会社でこういった業務をしてきて』と依頼され、
言われた通りの業務をすると派遣会社からお金がもらえる」といった仕組みのお仕事です。
似たような雇用関係でイメージしやすいのが芸能人です。
彼らは芸能事務所という「派遣会社」と雇用契約を結んで、
テレビ番組の撮影やコンサートなどの仕事を行った分の給料を芸能事務所からもらっています。
テレビ局やコンサートの企画会社と直接に雇用契約を結んでいるわけではありません。
時々芸能ニュースで芸能人が仕事をドタキャンしたというニュースが流れますが、派遣の仕事をバックレているのと構図は同じです。

バックレると具体的にどうなるの?

次に皆さんはバックレした後の具体例が知りたいと思いますので解説します。
まず当然ですが派遣会社のあなたに対する印象は最悪になります。
あなたもどこかに出かける約束をした友人が当日になって
「ごめーん、やっぱ面倒くさいから行くのやめた」といってきたら激怒するか
友達をやめますよね、派遣会社も同じです。

特に派遣会社は相手先との信用問題に関わりますので、
突然バックレた人に代わって必死に相手先に謝り、急に代役が可能な人間を探したり、
場合によっては時間に遅れた事によって相手に与えた
損害の賠償をしなければならない事もあります

また、あなたが仕事を無断でバックレた場合に
その事を派遣会社が知るのは仕事先からのクレーム電話が第一報になります。
仕事場に来なかった理由としては「バックレ」の他にも「電車など交通機関の遅延」
や「急な事故や病気」、
あまり考えたくはありませんが「突然死」してしまったのかもしれないと様々な理由があります。

そのため、あなたが仕事場に来ていない事を知った派遣会社の担当者は
あなたに何とか連絡を取ろうとします。
連絡先の電話番号に何度も連絡して、
それでも連絡が付かなければメールも送信するでしょう。
さらに緊急連絡先にも電話をして何とかあなたの状況を知ろうとします。
派遣会社はまずは「あなたの身に何が起こっているのか」が判らなければ、
相手先にもどういった対応をすればよいのか判断できません。
ゆえにあらゆる手段を使ってあなたと連絡を取ろうとするでしょう

そして単にあなたが「仕事をバックレただけ」だと判っても、
あなたに怒っている時間などありません。
上記のように相手先に謝り倒して何とか許してもらい、
あなたの代わりに仕事ができる人を見つけて本来は休日の人に拝み倒して
仕事に出てもらい、損害を何とか最小限に抑えなければいけません。
あなたが仕事をバックレると多くの人に迷惑を掛ける事が判っていただけましたか。

「何となく面倒」の裏に潜む危険信号

最初に私は仕事をバックレる理由として
「何となく行くのが面倒くさくなって」という理由を挙げました。
確かに仕事をバックレる理由として一番多いとされるのが「何となく面倒」という理由です。
でも実はその裏にはあなたも気づかないうちに進行している危険があるかもしれないのです。

仕事をバックレる理由として他には「人間関係に悩んで」や
「いわれた仕事と内容が違っている」というのも多い理由とされています。
「何となく面倒」という理由の裏にはこうした悩みが根本にあるのではないですか。
実はうつ病の原因にはこうした悩みが密接にかかわっており、
代表的なうつ病の症状の一つに「仕事に行けない」という症状があるのです

 

ではこうした悩みをどうやって解決したらよいのでしょうか。
まずは派遣会社の担当者に相談しましょう
派遣会社が出来たての頃は業界最大手の企業が法令無視のブラック会社だったり、
派遣村問題などで派遣会社全体のイメージが悪くなってしまい、
今もそうしたイメージを持っている方も多いと思います。
理由は後述しますが現在の派遣会社はほぼブラック企業は排除されているので、
担当者も親身にあなたの話を聞いてくれるでしょう。

派遣会社が一番困るのは上記のようにいきなり仕事をバックレられる事です。
そうした事態が起こる前に対処できるように、
派遣する人に担当者を付けて出来る限り悩みなどの相談に乗れるように
サポート体制を作っています
どんな小さな悩みでも担当者の人に相談してみましょう、
一人で悩むと袋小路に陥りがちですが担当者に相談すれば適切なアドバイスをくれるでしょう。

例えば人間関係の悩みなら「当社から派遣している人材が人間関係で悩んでいる」
と相手先に伝えてくれますし、
どうしても解決しないようならそこの仕事先との契約を早めに終了させてくれることもあります。
また「いわれた仕事と内容が違っている」場合には相手先にクレームを入れてくれます。
しかし顧客である企業にクレームなんてしてくれるのと不安な方もいるでしょう。
そこで例えば事務仕事と聞いていたのに
倉庫整理ばかりやらされるというケースで説明しましょう。

このケースでは派遣会社と相手企業(以下A社とします)の間で
「事務仕事を〇時間行う人間を派遣する、
その報酬としてA社は〇〇万円を支払う」といった契約が結ばれます。
しかしA社が勝手に派遣された人間を倉庫整理の仕事ばかりさせていた場合は
契約違反となります。
当然ですが事務仕事と倉庫整理では契約の報酬が違いますので、
派遣会社としても騙された事になります。
そのため派遣会社は契約違反であるとA社に必ずクレームを
入れてくれるでしょう。
その後はケースバイケースですが、
損害賠償や違約金といった形であなたにも何かしらの補償がなされると思いますので、
まずは担当者に相談しましょう。

私自身もうつ病になって会社を退職した経験があるのでよく解りますが、
うつ病の怖い所は「自分でも気が付かないうちに病気が進行している」という点です。
実際に私がうつ病で会社に行けなくなった時には、
朝に目が覚めてもベッドから起き上がる事ができなくなっていました。
頭では起きよう、会社に行こう、と思っても体を一切動かす事が出来なくなったのです。
皆さんはこうなる前にちょっとでも「おかしいな」や「嫌だな」と思ったら
担当の方に相談をしましょう。

ブラックな派遣会社を見分けるコツは

次にブラックな派遣会社を見分けるコツを説明します。
その派遣会社が起業してから10年以上経過しているかを一つの目安としてください。
なぜ目安になるのかを一言で説明すると「時間がたった」からです。
ブラック企業は短期的に利益を出す事はできても、
長期的に会社を維持する事は不可能だからです。
この事は経済学や経営学の理論でも立証されているのですが
長くて難しくなるので下の図をご覧ください。

このように起業して10年持つ会社は全体の約7割、
つまり3割の会社は倒産してしまうのです。
こうした厳しい会社の生存競争を生き残るためにはいわゆる
「ヒト・モノ・カネ」の3要素が必須であるといわれています。

さらに約半数が倒産してしまう20年後も会社を生存させるのは
ブラック企業ではほぼ無理だと断言できます。
2001年に始まった「小泉構造改革」で労働者派遣法の規制緩和が行われ、
派遣会社が次々と誕生しました。
しかし当時の業界最大手で後に社会問題にもなって倒産したG社などの「ヒト」を
大切にしないブラック企業はこうした企業競争に敗れ、
約20年がたった現在ではほとんど残っておりません。
長くその業界で存在できる会社に共通している事は
人間を大切にしている会社なのです。

まとめ

最後に仕事をバックレると訴えられるかどうかを説明します。
法的には派遣会社が被った損害を賠償する責任があなたには生じます
しかし現実的にあなたが訴えられる可能性は少ないでしょう。
なぜならば派遣会社があなたを訴えて得られる賠償額よりも
訴訟に掛かる費用の方が多いため、訴えても「赤字」になってしまうからです。
上記で述べた芸能人のバックレで裁判になることが多いのはその損害額が大きいためです。

だからといって「バックレても大丈夫だ」と高を括るのはよしましょう。
あまりにも派遣会社の面子を丸潰れにするようなバックレ行為をした場合、
採算度外視で訴訟を起こされる可能性もあります。
時として相手先があなたを訴える事を和解条件にすることも考えられます。
「面子」が大事なのは何もアウトローな方々に限りません。
多かれ少なかれ誰でも自分の面子を潰した相手には徹底的な報復行為に出る場合があります。

どうしてもその仕事に行きたくない場合はせめて派遣会社にその旨を伝えるなど
の最低限の「筋」は通しましょう。
「義理と人情」を欠いた人間はどんな世界でも成功しないものなのです。

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